【1998年課題曲】 保科洋 / アルビレオ《二重星》2022年改訂版 【吹奏楽】Hiroshi Hoshina / Albileo

ウインドオーケストラオリジン第3回定期演奏会
日時: 2022年10月1日(土)13:30開演
会場: タワーホール船堀大ホール

指揮: 髙野義博

撮影: G.K.Works

【楽曲解説】

アルビレオ《二重星》(2022 年改訂版)(保科洋 作曲)

1998 年度全日本吹奏楽コンクールの課題曲として委嘱された。アルビレオとは、はくちょう座に存在する恒星の通称のことで、肉眼で観察すると単一の星に見えるが、実際にはきわめて近い位置にあるように見える金色の星と青色の星の 2 つが存在し、このコントラストが印象的である。この作品も、そんな 2 つの星のコントラストを象徴するかのように、冒頭に金管に奏されるリズミカルな主題と、その直後に木管を中心に奏される緩やかな主題という性格的に対照的な 2 つの主題が複雑に絡み合って楽曲を構成する。急―緩―急―コーダという構成になっており、「急」の部分の快活さと、アルトサックスで始まる「緩」の部分の穏やかさもまたアルビレオのごとくコントラストとなるという仕掛けになっている。コーダでは、Vivace で大きな波のように主題が奏でられ、突然の Maestoso で2つの主題が朗々と絡み合い、勢いよくテンポを速め最後へ向かう。

今回用いられる楽譜は本年改訂を行ったものであり、この版は本演奏会が初演となる。課題曲という縛りから脱して編成が拡大されて響きが充実しており、より奏者が自由に演奏できるようにダイナミクスに若干の変更が存在する。